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【大企業の広報直伝】広報とは? 役割や目的、主な業務内容、必要なスキル・マインドセットを解説

広報とは、大企業だけにとどまらず、中小企業やスタートアップ、自治体、個人商店などのあらゆる団体に専任担当者が置かれる、社会やメディアと接点のある「企業の顔」ともいえる重要なポジションです。

全くの未経験のまま、新たに設けられた広報室の担当者になったり、広報室への異動を申し付けられたりしたものの、そもそも「広報って何をやるんだっけ?」…という方もいるのではないでしょうか。

本記事では、現役の大手企業 広報担当者(社歴8年)が、「広報」の意味や目的、実際に行う業務内容、スキル・マインドセットなどを解説していきます。

本記事の執筆者:H・M
2017年に大手通信キャリア会社に入社。BtoCサービスの広報として、プレスリリース作成や取材対応、会見対応に従事。新料金プランや5Gサービスの発表など新規案件をメインに担当し、年間150本以上のプレスリリースを作成。また、入社時からロボット関連事業のプレスリリース作成や取材対応、会見対応の他にリスク管理やコーポレート広報の仕事も経験。2022年4月からは新規スポーツ事業に関する広報業務を行っている。


広報と宣伝の目的や違い

広報活動と宣伝活動は同じだと思っている人がいますが、実際には大きく異なります。宣伝活動はお金を広告代理店や媒体に支払ってメディアに掲載します。その一方で広報はメディアに対して、プレスリリースや取材、会見などお金を支払わずにメディアに掲載してもらう活動となります。そのため、広報は発信したい情報を、いかにメディアに興味を持ってもらえるか工夫しなければなりません。

また、最近はSNSなどの普及により、ステークホルダーやターゲット顧客との接点が増加しています。多くの企業が公式SNSを開設して、情報を発信しています。しかし、企業が伝えたいことだけを公式SNSに投稿しても反響は大きくありません。そのため、広報はどのような情報を公式SNSで発信すれば見てくれるかや興味を持ってくれるか発信するタイミングはいつが良いかなど、発信する情報の取捨選択を担うのも広報担当者の重要な役割です。

企業・団体が広報活動を行う6つの目的

広報活動を行う目的は企業・団体によってさまざまですが、多くの企業・団体は下記の目的で広報活動を行います。

① ブランド認知とイメージの向上

広報活動によって、企業や団体のブランド認知度を高め、良好なイメージを構築します。消費者や顧客に対して、信頼性と信用性をアピールすることが目的です。

② 製品やサービスの宣伝・販促

新製品の発売や特別なサービスの提供など、製品やサービスの情報を広く周知させることができます。これによって売上を増やし、市場シェアを拡大することを目指します。

③ 企業文化の伝達

広報活動を通じて、企業や団体のビジョン、使命、価値観などをアピールし、ステークホルダーに対して共感を呼び起こします。

④ 危機管理と信用回復

万が一の事態や不祥事が発生した場合、適切な広報活動を通じて、誤解を解消し、信頼回復を図ります。

⑤ メディアとのコミュニケーション

広報活動は報道機関とのコミュニケーションを含みます。メディアへのリリースや記者会見を通じて、企業や団体の情報を伝えます。

⑥ 社会的責任の履行

企業や団体は、社会に対して責任を持つことが求められる場合があります。広報活動を通じて、CSR(企業の社会的責任)活動を紹介し、社会的な貢献をアピールします。

プレスリリースや取材、イベント、危機管理… 広報の主な6つの業務内容

① プレスリリース配信

プレスリリースとは自社の経営、商品・サービスなど、マスコミや社会に発信するための公的文書のこと。プレスリリース=会社の公式発表なので、プレスリリースの内容はとても重要になります。

プレスリリースの考え方・書き方はこちらから

② 取材対応

発信したプレスリリースなどを見たメディアから取材したいと問い合わせがあった場合対応する必要があります。取材してくれたメディアを通して、自社の経営、商品・サービスなどが、多くの人に情報が届きます。情報が正確かつ的確に伝わるよう、迅速に対応する必要があります。

③ 発表会などのイベントの企画

新しい会社の方針や商品・サービスをメディア向けに発表するなどのイベントを企画します。イベントにどのメディアを招待するかなど、社外との調整力が必要となる仕事です。

④ メディアリレーションの構築

取材対応や発表会などを単に案内するだけでは、メディアは集まりません。取材をしてくれる記者も人です。そのため、メディアとの良好的な関係構築が非常に重要になります。

⑤ 危機管理対応

自社の名誉を毀損するような事態が発生した際に、いかに会社への影響を小さくするかの対応も広報の仕事の一つです。有事の際は社会から注目され、自社のブランド価値が広報の対応次第で決まることもあります。

⑥ SNS・ブログ配信

自社のWebサイトやSNSでの発信も社員数が少なく専門の部署がない会社は広報が担っていることが多いです。特にSNSでは、トレンドと自社の商品・サービスなどを上手く組み合わせることで大きな反響を獲得することもできます。

広報の仕事に求められるスキルやマインドセット

広報の仕事は非常に多岐にわたります。そのため、さまざまなスキルやマインドセットが必要になってきます。その中で特に広報として必要なスキルやマインドセットは下記になります。このスキルやマインドセットを持っていると広報の仕事において、より実力が発揮できます。

5つのスキル

① コミュニケーションスキル
広報の仕事はコミュニケーションに重点が置かれます。効果的な口頭および書面のコミュニケーションスキルが必要です。適切な言葉を使って、ターゲットに正確な情報を伝える能力が重要です。

② メディアリレーションズ
メディアとの関係を構築し、メディア露出を確保するスキルが必要です。このスキルはメディアとの関係構築だけでなく、プレスリリースの作成や記者会見の計画・遂行するスキルなども含まれます。

③ クリエイティブなライティング
魅力的で効果的なコンテンツの制作が求められます。プレスリリース、自社メディアでの記事、SNSなどを執筆する際にクリエイティブなライティングスキルが必要です。

④ 社会メディアの管理
企業や団体のイメージを維持・向上させるために、社会メディアの適切な管理が重要です。効果的なキャンペーンの計画や実行、コミュニティの管理が必要です。

⑤ イベントプランニング
広報イベントの計画と運営能力が必要です。記者会見、プレスイベント、セミナーなどのイベントを成功させるためのスキルが求められます。

5つのマインドセット

① 柔軟性と創造性
広報の仕事はイレギュラーに対応しなければいけないことが多くあります。イレギュラーな状況においても柔軟に対応し、新しいアプローチを考える柔軟性と創造性が重要です。

③ 組織力とタイムマネジメント
複数のタスクを同時に管理する必要があるため、組織力とタイムマネジメントスキルが必要です。

③ 危機管理能力
突発的な危機に対処する能力が求められます。冷静で迅速な対応が重要です。

④ チームプレーヤー
広報は他の部門と連携して業務を行うことが多いため、チームプレーヤーとしての姿勢が重要です。

⑤ ポジティブなマインドセット
広報の仕事は営業などと違い評価が直接的に現れないこともあります。そんな状況でも目標に向かって取り組み続けられるポジティブなマインドセットが重要です。

最後に:「人・価値観は千差万別」多様化・複雑化した社会とのコミュニケーションを楽しむ

以前のようなマスメディア一択に広報アプローチを行うだけではなく、ステークホルダーや社会との接点の多様化や価値観の細分化によって、「どこで、誰に、何を、どのように伝えるか」が非常に複雑になり、緻密なコミュニケーション設計が求められます。

最終的に情報が届く人々の顔・生活スタイル・価値観などをリアルに思い浮かべながら、企業のファンづくりを楽しみましょう。

編集:ヤスダツバサ(Number X

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