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【現役広報が見習いたい】企業/商品広報PRの神対応事例5選

広報対応次第で与える影響は100倍にもなる?

会社の情報発信力は、広報の技量にかかっていると言っても過言ではありません。そのため、日ごろから他社はどのような広報活動を行っているかをチェックする必要があります。

今回は、私が「この広報対応は神だ!」と感じた、企業/商品広報PRの事例を5つご紹介。あくまで個人的な感想ですが、今後、どのように広報活動を悩んでいる担当者の力になってくれることだと思います。

本記事の執筆者:H・M
2017年に大手通信キャリア会社に入社。BtoCサービスの広報として、プレスリリース作成や取材対応、会見対応に従事。新料金プランや5Gサービスの発表など新規案件をメインに担当し、年間150本以上のプレスリリースを作成。また、入社時からロボット関連事業のプレスリリース作成や取材対応、会見対応の他にリスク管理やコーポレート広報の仕事も経験。2022年4月からは新規スポーツ事業に関する広報業務を行っている。


#事例01 トヨタ自動車の「トヨタイムズ」はメディア顔負けの発信力

日本で一番有名な企業といっても過言ではないトヨタ自動車株式会社ですが、発信力も日本一。その発信力を主に担うのがトヨタイムズです。

トヨタイムズ

BtoCビジネスを主とするトヨタが売上を上げるためには、顧客に企業のブランドイメージを向上させ、購買につなげることが重要です。しかし、日本一の企業だとしてもメディアに取り上げてもらえるのは、大きな発表をしたときのみ。

そこで、オウンドメディア「トヨタイムズ」では、経営に関する情報だけでなく、車好きへのニッチな情報まで、日々ブランドイメージの向上につながる情報を記事や動画で発信しています。

さらに、「トヨタイムズ」のすごいところは、伝えるプロも自前で用意しているというところ。数年前にテレビ朝日のアナウンサーがトヨタに転職したとメディアを沸かせたのを覚えていますか?

当時、テレビ朝日の「報道ステーション」でメインキャスターをしていた富川悠太(とみかわ・ゆうた)氏が、報道ステーションのメインキャスターを降板後、すぐにトヨタに転職をしました。テレビ朝日のエースアナウンサーを富川氏を迎え入れたことで、「トヨタイムズ」はオウンドメディアでありながら、メディア顔負けの発信力のあるコンテンツに昇華したといえるでしょう。

#事例02 ピジョンの走行性ベビーカー「Runfee」の綿密なPR戦略

ピジョン株式会社

お子さんをお持ちの方はよく知っている会社だと思いますが、若者では知らない方が多いのではないでしょうか?

ピジョン株式会社は、ベビー用品全般を扱う日本のメーカーで、特に哺乳瓶のトップブランドとして名高い会社。2015年にタイヤを大きくして段差をラクに乗り越えられる走行性ベビーカー「Runfee」を販売し、市場において3%だったシェアを12.6%まで大躍進させるという革命を起こしました。

走行性ベビーカー「Runfee

実は、その革命の裏には綿密なPR戦略がありました。まず1,000人を対象に商品企画ワークショップを実施し、80%の人がベビーカーの段差を乗り越えることにストレスを感じているということを見つけ、段差を乗り越えやすいベビーカーを開発しました。

しかし、“軽いことや操作しやすい”というメリットでベビーカーを選ぶ人はいても、“段差を乗り越えることが容易”というメリットだけで、ベビーカーを買う人はほとんどいません。

そこで、ピジョンが取った行動は、段差でベビーカーにかかる衝撃を徹底的に調査して、“衝撃が自動車の急ブレーキの5倍”という驚くべき事実を見つけ、メディアに発信。その事実を知ったメディアはこぞって取り上げ、綿密に作り上げたPR戦略は大成功となり、「Runfee」の知名度・人気は右肩上がりになりました。

#事例03 社員が企画する、日清食品の攻めたCM

日清食品ホールディングス株式会社

日清食品株式会社の一風変わったCMに興味を持っている人は多いのではないでしょうか?

どん兵衛「片翼のどんぎつね篇」やチキンラーメン「パーフェクトチキラー 篇」など、攻めたCMをどんどん発信しており、新作が出るだけでメディアが取り上げるなど、話題になりやすいPR戦略を確立しています。

私が驚いたのは、そのCM制作方法。日清食品ほどの大企業であれば、CMは広告代理店が制作を行い、制作されたものに対して、意見を言って完成させるというのが定石です。

しかし、日清食品は、社員自ら企画を行い、週1回のペースで社長に企画をレビュー。さらに、その企画会議を部署問わず全社員がリアルタイムでオンライン視聴できるというのが驚きです。

社長へのレビューがあるため、(変な企画を上げられない)というプレッシャー、かつ、幅広い年代・世代から生まれたアイデアにより、TiKTokなどのSNSで話題になった流行のネタや、誰もが知っている懐かしネタをCMに変換して出せるという、他社には真似できない強みが出せているのだと感じます。

#事例04 フランクなSNSコミュニケーションを行う、資さんうどんのPR戦略

資さんうどん

九州の人なら、知らない人はいないくらいの北九州発祥の名店「資さんうどん」。株式会社資さんの商品ブランドです。

その強みはなんといってもSNSでの発信力。企業アカウントの発信は、しっかりした内容が多いのですが、「資さんうどん」の投稿内容はかなりフランクで顧客に寄り添った内容となっています。さらにすごいのが、個人のアカウントかと思うくらい頻繁に返信したり、引用ツイートを使いこなしてるというところ。そのため、「資さんうどん」の投稿を楽しみにしているファンも多いのが現状です。

また、さまざま企業からのコラボ依頼も積極的に受けているところも強み。ファミリーマートとのコラボうどん発売だけでなく、うどんとはまるで関係ないアパレルブランド「ニコアンド(niko and ...)」とのコラボを行っています。

奇抜なコラボや、積極的なSNS活用という最先端のPRを行っていながらも、創業以来変わらない味を提供している資さんうどんのPR戦略はまさに、古き良きものを大切にしながらも新しいものを積極的に挑戦する手本だと思います。

資さんうどんのSNS
・X:@sukesan1976
・Instagram:@sukesan1976

#事例05 迅速な対応で炎上鎮火した、某プロスポーツ球団のパワハラ事件

これまでポジティブな要素を紹介してきましたが、リスク案件対応も重要な広報業務の一つです。その中で近年では珍しく素早い広報対応で炎上を抑えた見習うべき事象について紹介します。

昨年、某プロスポーツ球団の某選手がチームメイトに関して、パワハラを行っているというスクープ記事が世間を騒がせました。通常であれば、かなりの炎上が予想される案件ですが、素早い広報対応によりかなり炎上を抑えられたという印象です。

広報が取った対応は大きく分けて3段階です。

  1. 初期ヒアリング対応での見解公表および今後実施する実態調査内容の説明

  2. 調査結果を受けての処分と今後の再発防止への姿勢表明について記者会見を実施

  3. 再発防止策の公表

この3段階の内容を見るだけは特に変わったことはないと思われる方がいると思いますが、驚くべきはその対応の早さです。1.は記事掲載の翌日、2.は記事掲載から6日後、3.の公表までも22日で行いました。

また、記者会見では説明責任者の社長と一緒に弁護士も出席していました。これは球団方針の法的解釈もその場で説明することができており、結果的に非常に良かったと思います。

近年、いろいろな企業や個人が謝罪会見などをしておりますが、炎上してしまう会見の共通点として「質問に対して回答できない」ということがあります。弁護士が出席したことで、社長がすべて説明しきれない法的な根拠も説明することができ、メディアからの質問に対して納得いく回答ができていたことが、さらなる炎上を防げたのだと思います。

まとめ:「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」 悩んだときこそ他社事例を教訓に。

これらの広報/PR事例はいかがでしたでしょうか?

私も広報対応で迷うときはいつも他社事例を調べて、参考にします。全く同じ事象ではないにしても必ずヒントは見つかります。

広報の仕事は成功がありません。そのため、広報担当者はあらゆる予想をして、最後まで悩みぬいて対応しています。広報/PR対応で悩んだときこそ同じ悩みを持ち、対応した広報担当者の過去の轍をぜひ、参考にしてみてください。

文:H・M
編集:ヤスダツバサ(Number X)

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