【レポート】オークラ東京 ヘリテージウイング「日本の伝統美を継承しつつ、優雅に生まれ変わったホテル御三家」 —ホテル体験レポートVol.09
今回泊まったのは、東京都・虎ノ門に位置するラグジュアリーホテル「オークラ東京(The Okura Tokyo)」。
私の誕生日ということで、パートナーが2019年に新設された「オークラ ヘリテージウイング」と館内の食事処「鉄板焼 さざんか」という、豪華な空間と食をプレゼントしてくれました。
00 オークラと帝国ホテルの創設者は同じ家系だった!?
「オークラ東京(The Okura Tokyo)」は、「帝国ホテル」、「ホテルニューオータニ」と並び、“ホテル御三家”とも呼ばれる、日本を代表する由緒正しきラグジュアリーホテルです。
当時は、ラグジュアリーホテルとして一線を画した存在でしたが、ホテル価格の高騰に加えて、多くの外資系ラグジュアリーホテルが参入してきたことで、時代に合わせた空間を提供するために、新ブランド「オークラ ヘリテージ」を創設したのだと思われます。
また、最近パートナーに教えてもらった情報によると、「帝国ホテル 東京タワー館」が2024年6月末をもって閉館するとのこと。100年以上続く、日本ホテルのシンボルが幕を下ろすと、時代の移り変わりを感じて少しノスタルジックな気分にもなり、日本への危機感も感じてしまいました。
実は、「オークラ東京」は、「帝国ホテル」の創設者は同じ家系とのこと。「帝国ホテル」を渋沢栄一氏と大倉喜八郎氏が共同で創設し、大倉喜八郎氏の長男・大倉喜七郎氏が「ホテルオークラ(現:オークラ東京)」を創設したそうです。
加えて、大倉喜八郎氏によって設立された大倉財閥は、十五大財閥の1つであり、大成建設や太陽生命保険(私が加入している保険)など、数々の大企業が傘下に入っていました。
その事実が非常に興味深く、Wikipediaやネット情報を読み漁り、財閥関連の情報を調べすぎ、1記事書けるほどのインプットをしてしまいましたが、本題がブレるため本記事では割愛します(苦笑)。
01 さすがの“ホテル御三家”。広大な私有地に悠然と立ちはだかる巨大なホテル
虎ノ門の大通り沿いに門を構える「オークラ東京」。今の御時世では、ほぼ不可能に近いくらい広大な私有地の中に広々としたエントランスへの道が続き、正面に本館の「プレステージタワー」、西側に新設された「ヘリテージウィング」が位置します。
02 チェックイン〜室内へ:和の伝統美が際立ち、モダンに生まれ変わった空間
エントランスに入ると、長年愛されている圧倒的な広々としたロビー空間(私の語彙力w)が広がります。
ちょうど衣替えのタイミングだったのか、宿泊した日に正面のオブジェが桜になっており、何名かメディアのカメラマンの方がパシャパシャと写真を撮っていました。
その後、客室係の方に案内され、「ヘリテージウィング」のエリアへ移動。
さすがのジャパニーズ・クオリティ。名前を伝えるだけで、受付のチェックイン手続きも行わずに、待ち時間ゼロで客室に案内してもらいました。
03 客室へ:ジャパニーズ・トラディショナル✕モダンが品格を体現する空間。老舗ホテルの本領発揮
白木が多用された高級感のある廊下を通り、客室へ。
公式サイトでは「日本美を基調とした和の新解釈」と謳われている「ヘリテージウイング」。上品なブラウンとベージュ基調の配色で和の居心地の良さを感じつつも、モダンなデザインになっているため、海外を肌で感じる外資系ホテルとは一風変わった空間になっています。
バルコニー付きの部屋は広さも60㎡ほどで、一泊するには十分すぎるほどの広さと快適さがあります。
ウェルカムスイーツは、「御菓子司 塩野」のオリジナル生菓子。サクッとした表面の食感と上品な甘さにパートナーが「今までで一番おいしい!」と、感動していました。
部屋の手前にはブラウン基調のレザーチェアの書斎。ここで作業するととてつもなく捗りそう……。
洗面台も2つで嬉しい。バスルーム(テレビ付き)とは別にスチームサウナもあり、サウナで体を温めてから湯船に浸かると最高です。
「ダイソン(Dyson)」のドライヤーに感動
何より感動したのは、「ダイソン(Dyson)」のドライヤー(少し型は古め)。通常、コストバランスの観点で、ホテルには弱風の安価なドライヤーが置かれていることが多い印象ですが、(パートナーが)自宅でも使っている「ダイソン」があるのは非常に嬉しいポイントでした。
2〜3畳(?)ほどのバルコニーからは、東京を一望でき、眼の前にはアメリカ大使館が見えます。
04 夕食前にクラブラウンジでちょっと一杯
プレステージタワー 37階にあるクラブラウンジは、約430㎡を有するパノラミックな空間で、座り心地のよい大きなソファーや肘掛け椅子が並んでいました。
公式サイトによると、360度パノラマビューを活かしたデザインとなっており、ミニマルな直線や柔らかなテクスチャー、落ち着いたカラーパレットを施した広い空間が特長とのこと。晴天時は富士山を遠望できるようです。
この日のお客さんは、欧米系のビジネスマンやアジア系カップル・夫婦で占められており、ほぼ日本人はいませんでした(肌で感じるインバウンド)。
午前・午後・夕方の3回に渡って、ラウンジ内のフードが入れ替わるため、小腹が空いたときやブランチ、午後のリフレッシュなど、希望に合わせた利用のやり方があります。
軽食をコース料理のように並べ、白ワインを飲み続けるマダム風の女性客もいました(笑)。
※クラブラウンジ付きプランで宿泊する人は終日無料ですが、そうでない場合や外来客は1人あたり¥9,000/回かかるので要注意
05 そして、夕食へ。ホテル最上階からの眺望を楽しむ、Simple is Bestな鉄板焼「さざんか」
ホテルの最上階に位置する鉄板焼「さざんか」では、開放的な空間で、選び抜けれた食材を熟練の焼き手が調理する様を堪能することができます。客層も高齢の夫婦や会食をするビジネスマンが多く、人見知りの私でもいい意味で緊張せずに空間と食を楽しむことができました。
老舗ホテルということもあり、料理は全てSimple is Best!
Simpleなコース内容に、Simpleな味付け、だからこそ、食材本来の味をダイレクトに味わうことができました。
翌朝のビュッフェ:オークラといえばクロワッサン
翌朝は、タクシー広告でもよく流れていた「オークラ」のクロワッサンを食べるために朝食ビュッフェへ。正直、他にも美味しそうな料理があり過ぎたので和食にしました。ビュッフェ横にはお土産コーナーがあるので、パン類はここで買って帰ることをオススメします。
0X まとめ「一家相伝」:オークラ東京 ヘリテージの良かった点
「オークラ東京 ヘリテージ」を四字熟語に例えると、「一家相伝(物事の極意を一つの家系で代々引き継いでいくこと)」。古き良き文化や慣習を高水準で継続していくための日本の強さを感じました。
ここ数年は、流行りのホテルに泊まることが多かったのですが、老舗ホテルの底力といいますか、ホスピタリティ、空間、食、全ての水準が非常に高く、日本のホテルのレベルの高さを心から実感しました。いつものことながら、パートナーには頭が上がりません(苦笑)。
文:ヤスダツバサ(Number X)
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