“予約しないと入れないカフェ”と“有料枠”のスタンダード化現象
コロナが明けてから都心に行くと、休日はもちろんのこと、平日でも「長期休暇ですか」と見間違うくらい、どこもかしこも混んでいると実感します。
今までは、「お茶しようか」と、フラッと入れていたカフェやご飯屋が事前に予約しないと長蛇の列で待たないといけない始末。(待ち人の大半が中国・欧米系の外国人になったが)CHANELやエルメス、Diorなどのハイブランドの行列は以前から変わらずです。
(コロナ前って、こんな人いたっけ……?)と、ふと疑問に思い、パートナーに聞いてみると「コロナ禍で一時的に外出できなかった人たちがアフターコロナで外出し始めたのに加えて、コロナ前に引きこもっていた人たちも出始めているからだよ」と、教えてくれました。
これには、納得。
加えて、カフェや飲食店を始めとした、あらゆる実店舗で「通常の来店や予約とは別の有料枠(=仮に“VIP”と定義)」も二次曲線的に増えているので、私が感じた事例を紹介していきます。
#01 スターバックス 銀座 蔦屋書店(GINZA SIX6階)の特別席(1時間2,200円)
今どきのブランドが網羅されており、ハイブランドでも「GINZA SIXポイント」が貯まる※ことが魅力の「GINZA SIX(銀座シックス)」。
※一部のブランドは除く。年々、対象ブランドが減ってきている
その6階の蔦屋書店に併設されているスターバックスは、カウンターや丸テーブル、ゆったりとした4人がけソファなど、かなりの席数があるのですが、常に80〜90%以上の占有率となっています。
そこで、昨年くらいに突然現れたのが「1時間2,200円の特別席(以降、1,100円/30分)」。BOX型に仕切られた4人席なのですが、正直 奥にある無料のソファ席の方が断然座り心地がいいと思います。
(空間の割に割高だし、誰が使うんだろう……)と思っていたら、案の定 私が知る限りは使われていることはありませんでした。
▼他の方が特別席のレポートを書いていました。
余談ですが、2024年4月25日から、1階で「スターバックス」のコーヒーを買って、ゆったりとした時間を過ごせていた「SHIBUYA TSUTAYA」も3・4階を有料のワーキングラウンジにするようです。
#02 USJのユニバーサル・エクスプレス・パス(1アトラクション約5,000円〜)
有料枠の代名詞といえば、「USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)」ではないでしょうか。ここ数年で2度遊びに行ったのですが、通常のスタジオ・パスだけでは超超超蛇の列になるため、(そこまで人気のない)通常のアトラクションに乗るだけでも数時間〜、人気のものになれば4時間〜待たないといけない可能性があります(誇張表現ではない)。
「ザ・フライング・ダイナソー」や「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」のようなライド系アトラクションに乗りたい場合は、追加で20,000円/人〜の優先パスを買うことを心からオススメします。
#03 クラフト餃子フェスの有料シート(80分6,000円)
毎年、肉フェスやラーメンフェスなど、多くのフードフェスが開催される「駒沢オリンピック公園」。たまに通りがかると、横並びで数十に渡る仮設店舗に長蛇の列ができています。
恐らく、天空から見下ろすと上げ下げの激しい株価のよう。保有した株がそうだったら、ヒヤヒヤしますね(苦笑)。
こういったフードフェスは並ぶことが醍醐味かな? と、思いきや今年開催される「クラフト餃子フェス」では、東京限定で1テーブル6,000円(80分制)の有料シートが登場しました。
しかも、テーブルオーダー&テーブル会計が可能なコンシェルジュ(!?)機能付き。
まとめ:“有料枠”のスタンダード化現象
必然性があって“有料枠”を設けている店もありますが、現状の収益モデルだけだとままならないのか、足元を見て“有料枠”を作る店も増えている気がします。
働き方の柔軟性もでてきて、「土日祝日は混むから、平日に休みを取ろう」といった調整をする人も増えていそうですが、それでも一部の人気エリアは常に大混雑が今後も起きそうです。
とはいえ、常に大混雑に対応するリソースを維持し続けても、閑散期となる平日を含む一定期間はコスト増産になりかねません。
働く側「空き時間を上手く活用して、必要なお金を稼ぎたい」
雇う側「一時的には人手は欲しいけど、ランニングコストは避けたい」
といった需要と供給のバランスが取れて、スキマバイトのニーズが急上昇していることも納得できました。
完全な個人的な見解ですが、以下のような流れも起きるんじゃないかなと勝手に妄想してしまいました。
物価高がドンドン加速
人々の不安やストレス増長→休日は外出でストレス解消
人気店はドンドン混雑→クレーム多発
“有料枠”のスタンダード化現象
“有料枠”で収益化を狙う店と、ホスピタリティの一貫としての“有料枠”を設ける店で2極化
足元を見て儲けるのではなく、「損して得取れ」の精神で、今後もお客さんの利益を第一に考えて向き合っていくべきだな、と反面教師になったテーマでした。
※本記事は、完全に個人の見解なので責任は取れません