【現地人が通うインド🇮🇳おすすめグルメ】地元民御用達の名店5選(インド・デリー編)
皆さんこんにちは。今回も前回に引き続きインドにまつわる話をお届けします。
今回のテーマは「食」。
皆さんが現地に訪れたときに、必ず体験したいのが、その土地の歴史や文化を三感(視覚、味覚、嗅覚)で味わえる料理ですよね。私は、食事を「毎日与えられるエンターテインメントの一つ」だと認識しており、食事そのものだけでなく、旅先のいい思い出として、体験そのものを記憶に刻み込めるものと考えています。
「同じ釜の飯を食う」という言葉があるように、食事を共にすることは、人との距離も縮めますし、異文化交流としても身近で重要な活動ではないでしょうか。
それでは、インドの大都市デリーでオススメしたい、現地御用達の地元名店5選を紹介していきます。
#01 伝統と歴史を感じる、デリー最古のレストラン「Kwality」
もし、デリーの滞在期間が短く、「とりあえず1店選びたい」ということであれば、コンノートプレイスにある「Kwality」をオススメします。
コンノートプレイスは、イギリス植民地時代の都市計画によって整備されたビジネスエリアで、セントラルパークを中心に、円方になっており、有名な観光地までのアクセスの良さでもオススメのエリアです。食事の後、少し散歩してみるだけでも、歴史的な建造物から新しいお店まで一通り見つけることができます。
デリーで最も古いレストランの一つが地元の人から愛される名店になるまで
1940年代から営業している「Kwality」は、デリーで最も古いレストランの一つともいわれています。最初のスタートは、アイスクリーム屋さんだったそう。
元々、アメリカ兵が利用していたレストランだったので、インド人の顧客はあまりいませんでした。しかし、独立後の時代、コンノートプレイスに2店目となる高級レストラン「ゲイロード」がオープンし、グローバル化前の西洋化を目指すために、デリーのエリート階級向けの高級レストランとしてエリア全体が栄えました。
1980年代後半、コンノートプレイスはこれまでのエリート層に加えて、古くから地域に住む家族や、お金を持った若者など、幅広い層に利用される場所となっていきました。しかし、時代の流れは代わり、1990年代を通じて、社交の場がよりコンノートプレイスから南デリーの方に移ります。インド経済が自由化するにつれ、多くの5つ星ホテルのレストランが豪華なお金を使う場所となり、かつて栄えたコンノートプレイスは、多数の選択肢の一つとなってしまい、急速に古い場所として色褪せていったのです。
「Kwality」は、そういった時代の流れとともに、多数の店が閉店などを余儀なくされる中で、2024年になった今もなお、地元の人から愛される名店としてコンノートプレイスの中で営業しています。
主要メニューは、北インドと大陸料理。個人的に好きなのはマトンカレーですが、基本的なインド料理は網羅されており、スイーツも有名です。奥の方にはグランドピアノも設置されており、音楽が食事を彩り、運が良ければ生バンド演奏を聴けるチャンスもあります。
#02 歴代のインド著名人に愛される庶民的な味。デリーで最も古く、最も有名なカレーレストラン「Karim’s」
先ほどとは少し違う系統で、庶民的かつ、おそらくデリーで最も古く、最も有名といわれるカレーレストラン「Karim’s」。
1913年にオープンした「Karim’s」はデリーの旧市街地、Jama Masji(ジャーマー・マスジド)に位置し、伝統的なムガル料理を提供していることで有名です。初代オーナーはインドのムガル皇帝の宮廷で働いていたシェフの子孫だといわれています。
「庶民に王室の料理を提供することで名声とお金を稼ぎたい」という意気込みで、最初はアル・ゴシュト(羊肉のジャガイモ添え)とダール(レンズ豆のカレー)の提供から始めたのがスタートでした。当時のレシピが時代を超えて丁寧に受け継がれていることで有名で、これまで数多くの著名人がここのカレーを食べに訪れています。
オススメは、マトンコルマカレーとチキンシチュー。具材が非常に柔らかく、なかなか日本では味わえない味でやみつきになります(しかし日本人にはややオイリーかもしれません)。
紹介してくれたインド人の友人は、自分がベジタリアンにもかかわらず、「ノンベジタリアンならぜひ試してほしい!」とわざわざ連れてきてくれた名店です。それだけインド人の中でも愛されているお店の一つといえるでしょう。
現地の雰囲気を撮影したYouTube
#03 老舗コーヒーショップで一息。デリー初の西洋スタイルのカフェ「United Coffee House」
同じコンノートプレイスで紹介したいのが「United Coffee House」。こちらも地元の友人からも何度もオススメされた名店です。
「Kwality」同様、シャンデリアやヴィンテージな壁画、豪華な家具などのアートデコスタイルの内装で知られており、訪れる人々に贅沢な雰囲気を提供しています。また、親切で丁寧なスタッフや高いサービスレベルも評価されています。
デリー初の西洋スタイルのカフェとしてスタートした「United Coffee House」は、政治家や政府関係者、自由の闘士たちが第二次世界大戦やインド独立の計画を立てるために集まっていた場所だったそう。当時の手本的なスタイルを確立したといわれており、たくさんの地元のレストランからが当店を参考にしています。
独立前の古めかしさを残しつつ、今でも外交官や官僚、観光客がよく訪れています。歴史を残しながらも、メニュー構成は年々進化を遂げ、現在では世界各国やインドの伝統料理から、最近追加された東洋料理まで、豊富なオプションがあります。名物は”トマトフィッシュ”です。
ここまでインドカレーやレストランを中心に紹介してきましたが、続いて若者に人気のカフェ&バーやスイーツ屋を紹介します。
#04 イマのインドを感じたいならここへ。インドの若者文化を気軽に味わえるカフェ&バー「Social」
若者に人気のエリア「Hauz Khas Village」は、カフェや雑貨屋などが集まり、夜にはレストランやバーが多くの若者で賑わいます。そんな若者激戦区の中に位置するカフェ&バー「Social(例:Hauz Khas Village店)」では、欧米で人気な洋楽を聴くことができ、イマドキなインドの若者文化を気軽に味わえます。
メニューも軽食からパスタやピザ、中華料理など幅広く、お酒も充実しています。「Social」は、Hauz Khas Village以外にも全土の都市部に50店舗展開しており、「同僚とゆるく飲みにいきたい」「オープンな雰囲気を楽しみたい」「新しい街にきても良さげな店がわからない」といったときに、とりあえず「Social」に行っておけば、失敗することはありません。
#05 インドのローカルスイーツを体験するなら 「Giani's di Hatti」
最後に紹介するのは、先ほど紹介した「Karim's」の近くにあるスイーツ屋「Giani's Di Hatti」。ここも古くから地元の人々に愛され、Falooda(ファルーダ)というインドやパキスタンでよく食べられているデザートが有名です。
ファルーダとは、アイスクリームと濃厚なミルク、ファルーダ(細い麺のような食材)を組み合わせて作られた冷たいデザートのこと。その起源はペルシャにあり、ムガル帝国からインドに伝わってきたといわれています。
1つあたり125ルピー程度。地元の人もたくさん集まっているので、基本的には混雑しています。目の前で調理をしてくれるので、インドの屋台を体験できていいのではないでしょうか。近くで一緒に食べてるだけで、地元のインドの方と友達になれそうな雰囲気すらあります(笑)。
ぜひこちらも暑い日こそ、足を運んでみてください!
以上、私の中でのオススメ名店5選を紹介させていただきました。
今回まとめていて自分でも気づいたのですが、特にデリーには歴史的なレストランが多いと実感しました。それはデリーが都市として、各々の時代背景を色濃く反映している地域であったからであり、それぞれのエリアやお店で違った起源があり、そこを紐解きながら食事を味わうというのは非常に面白いのではないかと改めて感じました。
まだまだほんの一部ですが、ぜひ皆さんのオススメの名店も教えてください。また次回のシリーズでお会いしましょう!
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写真提供・文:大角佳代
編集:ヤスダツバサ(Number X)
▼海外在住の日本人に聞く、世界のリアル