【現地人が通う台湾🇹🇼おすすめグルメ】日本からの来客を案内したいグルメスポット5選
豊かな自然を誇る台湾。食材が豊富なだけでなく、様々なルーツをもつ人々が暮らすため、バラエティに富んだ料理を楽しめます。外食文化が発達していることもあり、街のいたるところで屋台や食堂、レストランがひしめき合っています。
そんなグルメ天国なので、「どこで何を食べればいいのか」誰もが迷ってしまうはず。今回は、台湾在住ライターの私が日本からの来訪者をご案内する食堂やレストランを紹介したいと思います。
著名レストランはガイドブックやWebサイトなどで容易に調べられると思いますので、今回は手ごろな値段で、かつカジュアルな雰囲気の中で食事が楽しめる店をセレクトしてみました。ぜひ皆さんの旅の参考にしてみてください。
#01 地元民が愛してやまないガチョウ料理の名店「阿城鵝肉」
鶏肉や豚肉以外によく食べられている庶民食。「鵝肉」と呼ばれるガチョウ肉です。ここ「阿城鵝肉」はガチョウ料理の専門店で、2019年にはミシュランのビブグルマンにも選出されました。元々、評判の良い店でしたが、これにより人気に拍車がかかり、現在は食事時には行列ができる状態になっています。
ここのこだわりは台湾南部の雲林県産の良質なガチョウ肉を使用していること。塩ゆでしたものと燻製したものの2種類がありますが、オススメは燻製したもの。旨味がぎゅっと詰まっており、食欲をそそります。
艶やかな肉と皮は見るからに美味しそうですが、実際に口にしてみても、クセはほとんど感じられず、そのしっとりとした食感と柔らかさに驚かされるはず。日本人には馴染みの薄いガチョウ肉ですが、一度味わうと、虜になってしまうこと間違いありません。
メニューには「前半段(前半分で、赤身が多め)」と「後半段(後ろ半分で、脂身が多め)」と書かれていますが、これはガチョウの部位を表しています。2,3人で訪れる場合は、一番小さなロットの「最小份」を選ぶのがベター。こちらは部位を指定できませんが、燻製された赤身のものが出てくることが多いようです。
肉以外にも自家製のガチョウ油をかけた白米(よく混ぜていただきます)や、シャキッとした食感のタケノコの煮物、風味豊かな出汁で炒めたエリンギなどがオススメ。ぜひ色々と試してみてください。予算は一人300元程度です。
初めて台湾を訪れるという方でも、リピーターの方でも、必ずや、満足していただけると思います。
#02 食材あてクイズが楽しいベジタリアン点心店「不葷主義茶餐廰」
台湾の街を歩いていると、「素」と書かれた看板をよく見かけます。これは肉や魚を用いていないベジタリアン料理のこと。
台湾にはもともと精進料理が多く見られますが、最近は動物愛護や環境保護に対する意識が高まり、ベジタリアン料理を好む若者たちも増えています。これに伴い、スタイリッシュな店が次々と登場し、非ベジタリアンの間でも人気を博しています。
オススメの一つは台中に本店があるベジタリアン点心料理店「不葷主義茶餐廰」。ヘチマ入りの小籠包や、蒸し餃子といった点心類のほか、広東料理や四川料理をモチーフにした一品料理も充実しています。
鶏肉もどきを用いた酢豚風の「糖醋雞丁」や、客家料理の生姜とホルモン炒めをモチーフにした「薑絲脆腸」(ホルモンの代わりにエリンギを使用)、ふわふわの蛋白の下にレタスやパプリカの入った「淡淡的幸福」など。どれも期待を裏切らないおいしさです。
ここでは肉や魚の代わりにベジタリアンミートやキノコ類、大豆などを用いていますが、料理はいずれも再現度が高く、来訪者とともに、原料・素材は何かを当てながら食べるのも楽しいひとときになるでしょう。
店内は白と木目をベースとした明るい雰囲気。いつ訪れても大勢の人たちで賑わっています。人気店なので、オンライン予約してから出かけることをお忘れなく。
#03 学生街にある四川料理の庶民派食堂「重順川菜」
台北には戦後に中国大陸から渡ってきた人たちが開いた中国各地の料理店があります。現在は二代目、三代目に引き継がれていますが、先代の味を守っているところも少なくありません。
国立台湾大学の近くにある四川料理店「重順川菜」の一代目の料理人も四川省出身。ここの料理は台湾の人たちの口に合うように改良されており、中国のような激辛料理はほとんどなく、全体的にマイルドな辛さになっているので、日本人向きです。
メニューはかなり多いのですが、個人的にマストオーダーだと感じているのは「乾煸四季豆」です。これは揚げ焼きにしたインゲンを唐辛子や挽肉と一緒に炒めたもの。シャキッとした食感と甘辛さが加わり、ご飯が進むこと間違いなしです。
そのほか、蒜泥白肉(茹で豚肉のニンニクソースがけ)や回鍋肉(ホイコーロー)、木須肉(豚肉や木耳、卵などを炒めたもの)などもオススメです。
学生街という場所柄もあり、料理はどれもリーズナブル。一人300元程度で美味しい料理が楽しめます。白米やスープが無料で付いてくるのもありがたいところです。
ちなみに、この路地にはかつて四川料理店が集まっていましたが、今ではこの店くらいしか見かけません。常連客が多く、いかに地元で愛されているかが分かります。路地の雰囲気もまた、台湾訪問者に喜んでもらえます。
#04 深夜でも楽しめる滋味豊かなお粥店「糜家莊」
日本ではお粥と聞くと「病気になった人が食べるもの」というイメージがありますが、ここのものは味付けがしっかりとしているのが特色。これは中国の潮州に由来するスタイルで、店主が現地を訪れた際に気に入り、台湾へ持ち込んだものだと言います。
ここでは、最初に8種類の生薬や薬味を2時間ほど煮込んで出汁を作り、厳選した4種類のお米を加えてさらに煮込みます。お米の粒が崩れすぎず、ちょっぴり粘り気があるのが特色。台湾のお粥は一般的にサラサラとしているので、異なる食感が楽しめます。
具材には広東ソーセージや海鮮類がありますが、個人的なイチオシは柔らかい鶏肉と肉厚のシイタケが入った「滑鶏粥」。シイタケが風味を加えており、絶妙な美味しさを作り上げています。
ちなみにお粥は土鍋で供されますが、人数に合わせてサイズを選べます。少人数でも小さめサイズがあるので心配は要りません。
お粥以外に創作台湾料理も充実。甘辛い味付けのスペアリブや、弾力性たっぷりのイカ墨ソーセージ、甘味と塩味のバランスがほど良い「カボチャとアヒルの塩漬け卵の炒めもの」など、独創性に富んだ料理が揃っています。
また、忘れずに味わいたいのが「水蓮菜」。これは台湾南部の高雄市郊外の美濃(みのう)で栽培されている野菜で、かつては生産量が少なかったため、台北ではほとんど見かけることがありませんでした。今では台湾全土に流通していますが、そのシャキシャキとした食感は一度食べたらやみつきになるはずです。
なお、台湾のレストランは夜9時頃に閉まるところが多いのですが、ここは深夜1時頃まで営業。夜の食事を食べ損ねてしまったというときにも利用できます。お粥なので深夜の食事でも身体に優しいのが嬉しいところです。
#05 伝統市場のお惣菜を持ち込める昼のみ酒場「萬華世界下午酒場」
最後に紹介するのは、台北の下町・萬華にあるユニークな「昼のみ酒場」。ここは日本統治時代に市場だった建物を再利用したカルチャー施設「新富町文化市場」にあります。
施設のすぐ隣には現役の伝統市場「東三水街市場」があり、ここで購入したものをおつまみとして持ち込むことができます。
市場には揚げたてのさつま揚げやつみれ、蒸した鶏肉やエビ、お刺身、チマキや油飯(台湾風おこわ)、炒ったピーナッツ、さらには稲荷ずしなどもあります。多種多様なおかずやご飯類が揃っているので、気になるものがあったら指さしでオーダーしてみましょう。
台北の街中には至るところに伝統市場がありますが、観光で訪れた場合はただ眺めるだけで終わってしまうことがほとんど。ここは人々の日常生活に触れながら、実際に味わうこともできる希少な場所となっています。
店にはビールやサワー、日本酒などの酒類はもちろん、店特製のおでんもあります。
店主の李政道さんは、地元の歴史や文化にも詳しいクリエイターで、「下町文化をより多くの人に知ってもらいたい」と様々な活動を行なっています。日本と台湾の交流イベントを催すこともあるので要チェック。
単なる酒場ではなく、市場の人たちと旅人を繋げ、地域を活性化させるためのスポットになっています。皆さんもぜひ、台湾らしい雰囲気にどっぷりと浸りに来てください。
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写真・文:片倉真理
編集:ヤスダツバサ(Number X)
▼海外在住の日本人に聞く、世界のリアル